コワーキングスペース運営約二年間で溜まったデータ考察
どうも!ヨカラボ天神支配人の村橋です。
今回の記事は、コワーキング関係者によるリレーブログ「コワーキングAdvent Calendar 2015」の11日目として書いています。
どのブログもすごく興味深い内容が書かれていますので是非ともご覧ください(^^)
コワーキングAdvent Calendar 2015
弊社運営のヨカラボ天神ですが、おかげさまで運営開始から来月で二年となります。
ヨカラボ天神ではご利用者様に会員登録を必須とし、ご登録時に各種アンケートに答えていただいています。
今回は特別にその二年近く溜まったデータを公開した上で、その考察を述べたいと思います。
でもちょっと長くなったので先に要点だけまとめますと・・・。
・ネットと口コミ大事
・利用者のほとんどは[仕事][勉強]目的
・地方都市に起業家は少ない
以上!長文読めねえ奴はこれだけ覚えてとっとと去っちまいな!ヽ(`Д´)ノ
では以下アンケート内容ごとに結果と考察を述べます。
■ヨカラボ天神をどこで知ったか?
(1)検索サイト :40.8%(2)知人からの紹介 :37.0%
(3)Facebook :8.0%
(4)ビル看板広告 :7.2%
(5)ネット広告 :5.0%
(6)路上看板 :3.5%
(7)チラシ :2.0%
上記のとおりGoogleやYahoo等の「検索サイト」からがトップで40%以上です。これは当店公式サイトがコワーキング関連の主要なワードで上位にランクインしていることの影響も大きいと思います( ̄ー ̄)エッヘン。私自身も出張時に近くのコワーキングスペースを探す際はやはりネット検索しますのでネットからの集客は重要です。
次が「知人からの紹介」で37%。いわゆる口コミですね。大きな比率を占めていることからわかるようにこの口コミというのはかなり重要です。
お金をかけた広告よりも、利害関係の無い方からの「ここ良かったよ」とか「ここ面白そうだよ」という口コミの方が効果があるのは他事業での分析でも明らかです。口コミを増やす対策としては、他人に薦めたくなるくらい顧客満足度を上げることと、何かしらシェアしたくなるようなユニークな特徴を持たせることだと思います。
次が「Facebook」です。当店はFacebook広告は出していませんので、当店へのチェックイン投稿やイベント告知等からということでしょう。これも口コミの一部といえるかもしれません。
次の「ビル看板」は移転前の店舗が入っていたビルに1年間出していた看板広告のことです。
かなり目立つ看板でしたのでそれなりの効果はありましたが費用回収するには遠く及ばなかったので何かしら意図があってブランディングしたいとかでなければやるのはオススメしません。
「検索サイト」「知人からの紹介」「Facebook」の上位3つの合計で85%を超えますので、集客に力を入れる際にはまずこの3つを重点的に対策する必要があるでしょう。
■ヨカラボ天神の利用目的は?
(1)仕事 :38.2%(2)その他勉強 :16.9%
(3)仕事(出張時) :14.7%
(4)カフェ代わり :12.2%
(5)交流 :10.0%
(6)打ち合わせ :9.4%
(7)暇つぶし : 8.6%
(8)資格勉強 : 8.0%
(9)3Dプリンタ :7.1%
(10)自炊 :4.4%
(11)受験勉強 :2.3%
利用目的のトップはやはり「仕事」です。「仕事(出張時)」「打ち合わせ」も含めると合計で62.3%となり6割以上が仕事目的となります。
次が「その他勉強」です。「資格勉強」「受験勉強」も含めると勉強関連で合計27.3%です。
仕事関連、勉強関連を併せると約90%となります。
当店ではラボスペースを用意し3Dプリンター等の機材を充実させ、ものづくり目的の利用者も取り込む戦略を取っていますが、それでも大半のコワーキングがそうであるように「仕事」「勉強」目的で利用される方がほとんどということです。
だから「仕事」「勉強」以外の要素に大金を掛けて設備を充実させても無駄ってことだ愚か者め!(自虐)
でも良いんです。ラボがあるおかげで良い出会いも面白いこともあったし、今現在もそれがあるから頻繁にご利用いただくお客様もいらっしゃるからー。なのでまだラボスペースは継続するどころか来月に設備を大幅増強する予定まであるのです!( ̄ー ̄)
■利用者属性
(1)会社員 :41.2%(2)自営業/経営者 :15.7%
(3)個人事業主 :11.8%
(4)学生 :8.8%
(5)フリーター :5.1%
(6)その他 :4.4%
(7)役員 :2.9%
(8)無職 :2.0%
(9)公務員 :1.6%
(10)専業主婦/主夫 :1.0%
利用者の属性は4割以上が「会社員」でトップです。「フリーター」「役員」「公務員」の給料を受け取る側のいわゆる『サラリーマン』の合計が50.9%と半数を超えます。
一方で「自営業/経営者」「個人事業主」の『起業家』の合計は27.5%で『サラリーマン』の約半分です。
コワーキングスペースというと『起業家』が利用しているイメージが強いですし、会社員は会社があるのでは?と意外に思われる方が多いかもしれません。
まず『サラリーマン』であっても■利用目的で「仕事(出張時)」が上位に入っているように自社拠点が無い地域への出張時には作業場所が必要になりますし、アフター5に勉強や副業で利用されている方も多数いらっしゃいます。
そして一番の要因は『起業家』というのはかなりニッチな属性ということです。人口が多く起業家比率も高い東京なら別かもしれませんが、福岡レベルの地方都市であれば『起業家』の数なんて知れています。更に『起業家』というのは事業に失敗しても成功してもコワーキングスペースを去って行ってしまうのですよ。もちろん後者の場合は祝福して見送りますが^^;
ですので地方都市だと『起業家』だけをターゲットに絞ってコワーキングスペースを運営するのはリスクがあると言えるかと思います。
あとがき
コワーキングスペースをある程度運営されている方にとってはすでにご存知のことがほとんどだとは思いますが、少しでも参考になれば幸いです。ここまでえらそうなことを書いていながら実はヨカラボ天神は単体事業としてはまだ黒字化できていません。初期投資と積み重なった赤字の額は恐ろしい金額になっています^^;ぶっちゃけ弊社の本業であるIT関連の利益がなければとっくに潰れています。
それでも当店を気に入ってくださっているお客様や関わるスタッフのためにも続けたいですし、コワーキングスペースを運営しているからこその楽しさや間接的なメリットもたくさんあります。もちろん経営者として黒字化の目処も立てていますから!
今後もヨカラボ天神をよろしくお願いいたしますm(_ _)m