【2018年6月更新】独学で3DCGモデリングを学ぶ際に役に立ったおすすめの本8冊
こんにちは、3D事業担当スタッフのヨカラボ天神スタッフのくろきです!
現在、ヨカラボ天神にて、3Dプリンター(ファブマシン)関連を一人担っております今現在ですが、3Dについてはヨカラボに来てから独学で学んでおります。
そこで今回は、独学で3Dモデリングを学んできた際に、とくに役に立った本をジャンル別に8冊紹介したいと思います!
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【2018/6/13 追記】
未だに記事を読んでくれる方が多いことに感謝します…!
情報が古くなっている箇所がいくつかあったので、追記をいたしました!
ポリゴン系3DCGモデリングを学ぶ際におすすめ
①Blender 3DCG パーフェクトバイブル2013
私が3Dモデリングを学ぶ際に、一番最初にお世話になった本です。Blenderでどんなことが出来るのか、3DCG制作はどういう流れで行うのか、Blenderで3DCG制作を行うための流れをつかむために最初に読むのに非常におすすめできる本です。
制作の手順が非常に丁寧に書かれており、操作方法が右も左も分からない状態でも、何とか最後までたどり着くことができるかと思います。
(私は丸1週間かけてなんとか、飛行船のモデルを完成させることができました)
この本では主に、プリミティブ(立方体や円柱など)を変形させて形を作っていくというモデリング方法を学ぶことが出来ます。
面張りなどの技法は全く出てきませんので、面張りについて学ぶには他の本を併用する必要があります。
モデリング以外にも、「波」と「芝刈り機」のアニメーション方法、「煙シミュレーション」機能を使ったロケット発射の再現、UFOの合成写真の制作方法、音声効果の紹介、アドオンを使って柱にツタを生やす方法など、ちょっと
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②Blender 3Dキャラクター CGテクニック
キャラクターモデリングの書籍です。描かれた下絵に基づいて、ゼロからデフォルメキャラクターをモデリングする手法を学ぶことができます。
上記の「パーフェクトバイブル」では扱われなかった、面張りを使ってのモデリングを学ぶことが出来ます。
この一冊で、下絵を配置する方法、面張りによるモデリング方法、スカルプト機能、テクスチャ(色付け)の設定のしかた、ボーンを組み込んでポージングをつける方法、アニメーションの作り方といった機能を学ぶことができます。
手順の書き方については「パーフェクトバイブル」に比べたらやや分かりづらい箇所はありますが、それでもチュートリアルに沿って進めていけば、初心者でも完成までたどり着くことができるはずです。
本書ではデフォルメキャラクターを題材にしていますが、有機的な形状を作りたいという方への入門としては非常に参考になる内容だと思います。
Blenderのバージョンが新しくなったことにより2冊目が出ています。
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Blender 2.7 3DCG スーパーテクニック Benjamin ソーテック社 2014-09-19 売り上げランキング : 416964
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もっと簡単な形状からスタートしたい!という方におすすめな書籍が出ていました!
星やコップ、バネなどの簡単なモデリングから始まり、ちょっと複雑なペットボトルやバイクなど無機的物のモデリング、キャラクターや人物の顔のモデリングまでバランス良く網羅されていて、Blenderの入門書としてとてもいい感じの本です。
★★Blenderで3Dプリンター用データの制作をするにあたって★★
Blenderでのモデリングについての基本的な制作方法は、以上の2冊で大部分を学ぶことが出来ると思います。
ただし、これらの本は3Dプリントを前提として書かれたものではないので、データを作ってそのまま転用、ということはできません。
Blender(もしくは他の3DCGソフト)で3Dプリント用データを作成するために必要な情報については、過去ブログにてまとめていますので、そちらもあわせて参照いただければ幸いです。
無料3DCG編集ソフトのBlenderをCADソフトとして使う方法 | ヨカラボ天神スタッフブログ
今回は、欠損パーツの作成でも使用した、無料3DCG編集ソフトのBlenderをCADソフトとして使う方法についてご紹介したいと思います。 ...
3Dプリント用のデータのルール | ヨカラボ天神スタッフブログ
今回は前回の記事ではあまり触れられなかった、3Dプリント用の3Dデータの注意事項について紹介したいと思います! ...
3Dプリント用データのエラーチェック方法 | ヨカラボ天神スタッフブログ
前回紹介したような3Dプリント用データのルールを守れているかどうかを、エラーチェックツールを使って簡単に確認することができます。 ...
③フィギュアの作り方01 3Dプリンタのためのデジタル造形術
5,000円という低価格で利用できる国産3DCGソフト「Metasequoia(メタセコイア)」を使っての、デフォルメフィギュアを制作~3Dプリント~実際に塗装するまでの制作過程を学ぶことができます。ポリゴン系3DCG本としては珍しく、3Dプリントを前提とした内容の本書ですが、操作方法については省略されている箇所も多いので、これを見ながら初心者が作れるか?といったらちょっと難しいかと思います。
Metasequoiaの基本操作方法を学びたいのであれば、他の本で学ぶ必要があります。
それでも、3Dデータがゼロからでき、それが実際にプリントされて市販品のフィギュアと同じように塗装されるまでの工程を見ることができるのは非常におもしろく一見の価値があると思います。
ちなみに、フィギュアの塗装はプロのフィニッシャーさんがやっているそうで普通に製品かと思うような仕上がりでした。
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④Autodesk Mayaキャラクターモデリング造形力矯正バイブル -へたくそスパイラルからの脱出! !
本書で使われている3DCGソフトはAutodesk社の「Maya」というプロユースのソフトです。「へたくそスパイラルからの脱出!」というタイトルどおり、初心者がやりがちな失敗例とその対策が紹介されています。
本書はMayaを前提として書かれていますが、人体(リアルキャラクター)の構造や、メッシュの分割例、メッシュの流れといったことは、Maya以外でも(他のポリゴン系ソフトでも)共通する概念ですので、読んでおいて損はないかと思います。
プロの面張りを見ることができるのは非常にありがたいです。
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スカルプト系3DCGモデリングを学ぶ際におすすめ
⑤デジタル原型師養成講座 プロとして通用するフィギュア作成技法
Zbrushと3D-COATといったスカルプト(ボクセル)機能を持った3DCGソフトを使った、デジタルフィギュア制作のハウツー本です。原型制作の仕事を請け負う際の流れや注意事項、データ制作過程など、現場に携わらないとなかなか知ることの出来ない実情も載っており、「デジタルフィギュア原型師になりたい人」にとっては大変興味深い内容となっております。
巻末にはほんの少し、デフォルメフィギュアの制作手順も載っていますよ。
デジタル原型師養成講座 プロとして通用するフィギュア作成技法 スーパーバイザー(藤縄) 翔泳社 2015-05-19 売り上げランキング : 62350
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【2018/6/13 追記】
上記のモデラーさんと同じく界隈では有名な榊馨さんの制作過程を追って学ぶことができる「Zbrushフィギュア制作の教科書」もおすすめです。
単にスカルプト機能で造形していくだけではなく、その後ちゃんとメッシュを張ったり丁寧な作業をされていて非常に参考になります。
そんなとこまでわざわざリメッシュするのか…!とプロの仕事を垣間見ることができます。
「Zbrush」は定価113,000円(2018/6/13現在)ですが、Zbrush COREはなんと16,000円!さらに安価にスカルプトモデリングを始めることができるようになっています。
こちらもすでに入門用の書籍が出ています。 いやーどんどんモデラー入門に優しい時代になっていってますね!
⑥3DCG×3Dプリンタ デジタル造形 2014 CGWORLD特別編集版
3DCGの情報誌「3DCG WORLD」で過去に掲載された記事のまとめ・再編集版です。チュートリアル本ではないので、これだけで3Dソフトの使い方を学ぶことはできませんが、実際に販売されたフィギュアの制作例がたくさん載っており、制作過程やテクニック(重要な箇所はモザイクがかかっていたりしますが)を知るにはうってつけの本です。
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3DCADを学ぶ際におすすめ
⑦脱! 2次元 面白いほどかんたんにできる! 3Dプリンター
123D Designに関するチュートリアル本は他にも出ていますが、この本の特徴はなんといっても作品例がおしゃれ。
3D系のチュートリアル本では「こんなの作ったって使わないよ!」(コップとかコップとかあるいはコップとか)というものを作ることが多いですが、この本の作品は実用的で制作のモチベーションが上がりそうなものばかりです。
使用するツールもまんべんなく網羅されており、チュートリアルをすべて制覇すれば123D Designの使い方はほぼマスターできます。
123D Designを学ぶならこの一冊があれば十分でしょう。
脱! 2次元 面白いほどかんたんにできる! 3Dプリンター (エクスナレッジムック) FABLAB渋谷 エクスナレッジ 2014-04-30 売り上げランキング : 83018
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【2018/6/13追記】
現在「123D Design」は残念ながらサービスを終了しており、「Fusion360」に引き継がれています。
学生さんや教員の方以外は有料ではありますが、「Fusion360」では123D Designよりもかなり高性能になっており、3DCADはもちろん3DCAM(CNC切削加工)にも対応しており、さらに解析までできてしまうという充実っぷり。
従来は数百万したソフトの機能が月額5,400円で利用できることを考えると、凄い時代になったなあと思います。
学生・教員の方は3年間無料で使えます。
入門用の書籍も多数出ており独学で学ぶにはとても良いソフトだと思います!
3Dプリンターについて学ぶ際におすすめ
⑧3Dプリンター導入&制作 完全活用ガイド
3Dプリンターの種類、歴史、3Dソフトの種類といった3Dプリンターに関する基礎的なことから、活用事例、ビジネス展開についてなど、3Dプリントのことに関して広く学べる本です。他にも3Dプリンターに関する本は色々と出ていますが、これ一冊持っておけばほとんどカバーできる内容となっております。
構成は綺麗にまとめられておりシンプルで読みやすくかつ、かなり読み応えがあります。
3Dプリンターについて知りたい方には、間違いなくおすすめの一冊です!
3Dプリンター導入&制作 完全活用ガイド 原 雄司 技術評論社 2014-01-23 売り上げランキング : 163982
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おわりに
以上、3Dに関する知識ゼロの状態から独学で学んでいくにあたって、特にお世話になった本たちを紹介しました。最近は3Dプリンターのブームもあり、3Dに関する本も年々充実してきており、高価なツールだった3Dソフトも、最近は無料で利用できるソフトがたくさん出てきています。
新たな趣味として、または本気で学ぶための入り口として、これらの情報がお役に立てることができたなら幸いです。
ではではっ
※3Dプリンター関連業務は、2019年末に終了しております。
お問い合わせ頂いても対応できかねますので、ご了承いただきますようお願い致します。