10月から始まるマイナンバー制度、知っておくべき知識とは?税務セミナーに参加してきた
来月10月から始まるマイナンバー制度ですが、何のために始まる制度なのか、実際私たちの生活にどんな影響があるのか、また、気をつけておくべきことは何か?
知らないことばかりだったので、ヨカラボ天神で今月行われた税務セミナーに受講者として参加してきました。
マイナンバー制度ってそもそもなんで始めるの?
これまでは行政機関などでは個人の特定氏名・生年月日・性別・住所を使って、個人を識別していましたが、名前以外で特定の情報になる登録情報が変更になったり、同じ生年月日で同姓同名の人が存在したりなどすると、個人の特定に時間がかかったり、正確さを欠いてしまうことがありました。個人に12桁の個人番号を振ることで、情報を管理しやすくし、国民の利便性を向上させるというのがマイナンバー制度の目的です。
マイナンバーは日本国に住民票がある人に発行されます。
マイナンバー交付スケジュール
平成27年10月 | ①マイナンバーが付与 |
平成27年10月~12月 | ②住民票住所にマイナンバーの通知カードと交付申請書(カードの発行申請書)が届く |
※スマートフォンでもカード交付申請可 | |
平成28年1月~ | ③カード交付準備完了の通知 |
市区町村窓口で本人確認のうえカード交付、交付手数料は無料 |
平成27年10月より、個人にマイナンバーが割り当てられます。このナンバーは家族関係に関わらずランダムに割り当てられます。
②マイナンバー通知カードとマイナンバーカード発行申請書が届く
交付されたマイナンバーは、平成27年10~12月の間に、個人に通知されます。
通知は、住民票を登録している住所に届きます。このとき一緒にマイナンバーカードの発行申請書が届きます。
マイナンバーカードは全員もらえるものと思っていましたが、発行は任意とのこと。
発行申請書を送る方法のほかに、スマートフォンでも申請ができるようになる予定だそうです。
③マイナンバーカード交付準備完了の通知
マイナンバーカードの発行を申請すると、平成28年1月以降にカード交付準備完了の通知が届きます。
カードは送られてくるのではなく、市区町村窓口で本人確認を行ったうえで受け取ることができます。
ちなみに、マイナンバーカードの交付手数料は無料です。
マイナンバーカードには何が書いてあるの?
マイナンバーカードの表面には、
氏名、住所、生年月日、性別、カードの有効期限と顔写真が記載されます。
カードの表面は、免許証などと同じように身分証明書として使うことができます。
マイナンバーカードの裏面には、
個人番号(マイナンバー)、氏名、生年月日などが記載されます。
注意すべきなのは、この裏面にはマイナンバーが記載されているのでむやみに提示してはならないということ。
マイナンバーカードを個人確認の証明書として使う場合、(番号法に定められた手続き以外で)裏面を控えさせてはなりませんし、事業者側も、番号法が定める事務手続き以外でマイナンバーを控えることは違法となってしまうので注意が必要です。
安全のためにも、ほかに身分証明書がある場合は、マイナンバーカードはむやみに提示しないほうが良さそうですね。
事業者は対応の準備が必要
事業者はマイナンバー制度開始に向け、10月までに以下のことに対する必要があります。
●社内規定の見直し
入社したらマイナンバーを提示する、などの社内での決まりの見直しなど。
●システム対応
事務処理などのシステム対応
●安全管理措置
マイナンバーの保管方法の定め。マイナンバーを流出させてしまうなどすると、保護法による罰則があります。
事業者がマイナンバーを確認する際に提示を求めるもの
また、被雇用者のマイナンバーを控える場合には違った人物のナンバーを控えないよう、事業者側も注意する必要があります。
事業者が被雇用者のマイナンバーを集める際には、以下のどちらかの提示を求めます。
●マイナンバーカードを確認する
顔写真が付いているので、写真で本人と確認できればOK
●マイナンバー通知カード or 住民票 + 顔写真付きの証明書(免許証やパスポートなど)
※ただし事業者が本人とわかるのであれば身元確認書類は要しない
個人だけではなく法人にもマイナンバーが交付される
法人にも13桁のマイナンバーが交付されます。(個人は12桁です。)
法人のマイナンバーについては、インターネットでの公開が予定されています。
所得税の管理が厳重になる
報酬が発生した場合、報酬を払う側は法定調書(支払調書)を税務署に提出することが義務付けられます。
このときマイナンバーを記載するので、報酬の受取者がいくら受け取ったという情報は税務署に記録されます。
報酬の受取者が確定申告をする際に、この報酬の届出をしないとすぐにばれてしまうことになります。
マイナンバーカードによるトラブル
マイナンバーカード制度の開始によって懸念されるトラブルのひとつが、なりすましです。例えば、もし収入があった際に、Aさんが故意にBさんのマイナンバーを使うと、収入はBさんのものとなり、Bさんへ所得税が請求されてしまうということが起きてしまいます。
マイナンバーを利用できる事務作業については、番号法によって限定的に定められている
マイナンバーを事務作業で利用する機会は、番号法によって定められます。番号法によって定められた事務作業以外で、マイナンバーを取得することは違法となります。
マイナンバーの提示を求められて怪しいと思ったら、公共窓口へ問い合わせてみるなど、個人でも危機管理が必要ですね。
もし、意図せずマイナンバーが流失してしまったらどうすればいい?
マイナンバーは原則として生涯同じ番号を使用しなければならず、自由に変更することはできません。ただし、マイナンバーが漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められる場合に限り、本人の申請又は市町村長の職権により変更することができます。
さいごに
規模が大きく新たな試みゆえに、賛否両論の声があがるマイナンバー制度ですが、正しい知識を持つことでトラブルに会う確率はぐっと下がるのではないかと思います。今回参加した「税務セミナー」ですが、ヨカラボ天神では毎月、会員様限定にて起業や税務関連のセミナー&相談会を開催しております。
セミナー後半では、税務相談会も行っており、セミナー内容に関係のない内容でも質疑応答形式で税理士に相談することができますので、ぜひお気軽にご参加ください。
次回開催は、10月21日(水)18:00~20:00を予定しています。(現在告知ページ準備中です)
ヨカラボ天神でのイベントの開催状況については、「ヨカラボ天神開催イベント」ページにて随時ご確認いただけます。
http://yokalab.jp/event/